37才から英語学習を再開して、習慣化するためにやったこと

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起業後、3394日目。

今日は、英語学習が1年800時間以上続いたので、「英語学習を習慣化するためにやったこと」を共有します。

■37才にして、英語習得を誓ったきっかけ
36才にこれまでの事業を売却。ゼロリセットできるタイミングに恵まれ、「人生長いよな〜」としみじみ思った。新卒で大企業に入社していたら、まだ中堅。今後、労働寿命は伸びる一方。その頃、「日本語:中国語:英語の人口と市場の大きさ=1:10:20だよ。矢野くん」と前職の社長から聞かされた。未来の多くのことは読めない。証券アナリストは今日もウソばかりついている。ビットコインもどうなるのか、分からない。しかし、日本人の人口が減ることは確定。海外から日本へ戻ると、しみじみ思う。日本は、よく言えば落ち着いてる、悪く言えば元気がない国だと。帰りの成田エクスプレスに揺られながら、「残りの人生、英語を話せるようになって、日本人に限定することなくビジネスを行い、プライベートも充実させて行きたい!」と強く思った。

■目標と戦略
「英語で、主体的に議論や会議をリードできるレベル」を目指す。このレベルに到達するまでに必要とされる勉強時間は、3000時間以上とのこと。中高大学での勉強時間=約1500時間らしいので、残り1500時間の勉強が必要だと観念する。瞬発力で乗り切れる時間ではないので、モチベーションの維持向上、セルフマネジメントの方法を学んだ上でPDCAを回し、勉強習慣を確立することが先決。モチベーションの維持向上、セルフマネジメントの方法については、関連書籍をたくさん読んだ。そして、自らを実験台として、2週間に1回振り返る。レビューのアジェンダは、「進歩したこと」「大変だったこと」「気づき」「こんな工夫、教材が良かった」「次に向けた抱負と学習計画」。

■人体実験
教材やカリキュラム云々の前に、勉強習慣の確立が先だと思い、まず1日3時間の勉強にトライ。早々に挫折。仕事しながらの1日3時間は、厳しかった。そして、1回あたりの集中可能時間が30分であることを知る。英語学習を無理なく継続し、僕が求める英語力を獲得するには、残り1500時間÷2時間/日=750日→少なくともおよそ2年かかる、という結論に至った。そして、自分は集中力が長く続かないので、毎日30分×4コマでカリキュラムを組むことにした。

■情報収集&実験後のマイルストーン
2016.10:海外旅行に必要な英語を話せる(レベル4)
2016.11:身近なトピックで英会話ができる(レベル5)
2017.03:興味のあることについて、英会話が続く(レベル6)
2017.12:詳細な説明ができ、会議に難なく参加できる(レベル7)
2018.12:英語で主体的に議論や会議をリードできる(レベル8)

■Before(2016. 10時点)
・大学受験時(18年前)、受験英語はできる方だった(入試英語は、ほぼ満点)。過去、TOEICやTOEFLなどを受けたことはない。留学経験なし。
・大学卒業後、英語教材を買っては放置を繰り返す。三日坊主。
・かろうじて、海外旅行はできる英語力。長い会話は無理。自分の勉強不足を棚に置き、日本の英語教育に対して、長らく憤りを感じていた。

■After(14ヶ月後=2018.01時点)
・英語を勉強する習慣がついた。14ヶ月で約800時間勉強した。
・英語語彙=約10,000まで増強。レアジョブの英会話レベル=6.9まで上がった。
自分の意見を言ったり、相手の話を聞いたりして、長い会話ができるようになった。英語オンリーMTGに参加可能。ファシリテートはまだ危うい。
・以前より、セルフマネジメント&コントロールができるようになったように感じる。定期的に、内省&レビューするクセがついた。英語の勉強以外にも、良き習慣を増やし、悪しき習慣を減らすことに役立ちそうな気がする。

■教材別の勉強時間(合計=約800時間)
①発音強化:発音の鬼—コツ33&話せる編&洋楽カラオケ(約20時間)
②語彙増強:iKnow!—英会話マスター4000、大学受験&TOEIC&ビジネス英語&TOEFLシリーズすべて(約280時間)
③英会話:レアジョブ(約150時間)
④音読:速読英単語—入門編・必修編&音読パッケージ&ジョブズスピーチ@スタンフォード大学卒業式&マーティン・ルーサー・キング・ Jr. 演説@ワシントン大行進など(100時間)
⑤英作文:瞬間英作文&英語でfacebook投稿(50時間)
⑥英文法:1億人の英文法&ハート英文法(約10時間)
⑦ヒアリング:映画、番組、動画視聴。特にTEDをよく観た。(約30時間)
⑧実践英会話:マレーシア&フィリピン&中国&韓国&香港など、旅行・出張(140時間)
⑨モチベーション維持向上&英語勉強法の勉強(約20時間)※読んだ本参照
⑩環境設定:スマホ、PCの言語設定をすべて英語に変更(always)

【ポイント】
・基礎練がとても大事。いきなり試合=英会話しないこと。特に、フリーカンバーセーションなんて、もってのほか。英会話スクールの初回お試しは、なぜかフリーカンバーセションが多いのだが、ゲームの企画開発に例えると、チュートリアルの難易度設定を完全に間違えてると思う。自分は受験英語が得意な方だったが、中高でメチャクチャな発音で単語を覚え、音読するクセがついてしまったので、中学単語から正しい発音で復習し直した。「受験英語をしっかり勉強した人は、インプットは十分です。アウトプット=英会話の機会をひたすら作りましょう!」という話を聞くが、ウソ又は誇大広告だと思う。かなりゆとりのある制限時間の中で、知識としての英語を考えながら、思い出しながら回答して正誤を判定するテストに対して、反射的に内容を理解し、反射的に文章を組み立てて話す実践は、まったく違う。基礎ができる=無意識に反射的に情報受発信できるレベルと心得る。急がば回れで、発音→文法&語彙のやり直し→瞬間英作文→ひたすら音読(リピーティング→オーバーラッピング→シャドーイング)という基礎練をみっちり積んだ上で、力試しに英会話レッスンをたまに入れるぐらいがちょうど良いと思う。スポーツでも、自己流の変なフォームのまま、ひたすら試合ばっかりしてる人やチームは、長らく下手なまま。スポーツのゲームはそれでも楽しいけど、ちっとも聞き取れない&話せない試合=英会話は、楽しさすらない。まずはみっちり基礎練=インプットし直しをした方が良いと思います。地味で挫けそうになったら、スラムダンクを。

■読んだ本
・「英語を話せる人」と「挫折する人」の習慣
・英語上達完全マップ
・「超」英語法
・なぜ人と組織は変われないのか
・受験英語禁止令
・ネイティブが中学英語を教えたら
・商社の英語
・英語の話し方
・東洋経済&PHP英語特集
・意志力の科学
・東大首席弁護士7回読み
・スタンフォードの自分を変える教室
・GRIT(やり抜く力)
・TOEICリスニング満点コーチが教える 3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング
・仏教系の本もろもろ
・他多数(本棚を整理&記載)

【ポイント】
・意志力は有限で、ジャンル(仕事、家事、勉強など)毎に分かれてない。朝起きて寝るまで、何かを選択したり、意思決定する度に意志力は削られる。だから都度迷って意志力を削らないように、ルーチン化できるものはルーチン化し、今日は何を食べるか、何を着るかなどの些事は、ローテーション化すると良い。ジョブズが毎日、リーバイスと黒いタートルネックを着て、ザッカーバーグがねずみ色のTシャツを着てるように。そうして捻出した意志力を新たに習慣化したいことにあてる。僕は洋服を大量に捨てて、自炊もやめました。ちなみに、decide(決定する)という英単語のcideの語源は、ラテン語の「caedere=切って捨てる」から来てます。「何かをやると決めたら、何かを切って捨てる」というニュアンスがdecideには内包されていると知ったとき、興奮しました。

・「ディクテーションとシャドーイングが聞き取り強化にあたって有用なことは頭で理解しているが、どうにもこうにも地味で退屈。そして進歩が分かりにくいので、毎日継続して取り組めない」問題に長らく苛まれていた。色んな英語学習本を読んで、この問題を解決しようとヒントを探したのだが、意外にも、仏教に関する本でブレイクスルーしました。曰く、

“「説明」は「体験」を縮小再生産させる。仏教の理論は難解ですから、誰もがその理論をわかりやすく教えてほしい、と考えます。しかし、そういう理論的な説明ばかりを頭に入れてしまうと、修行の効果が失われてしまう。修行というのは、「自分自身が変化する体験」だからです。当たり前のことですが、「変化する前の自分」は「変化した後の自分」のように感じることはできません。ということは、修行によって得られるのは、「変化する前の自分にとってはまったく未知の体験」だということになります。そういう「未知の体験」を、事前に言葉で説明されてしまうとどんなことが起こるでしょうか。例えば、修行によってもたらされる「心が落ち着いた状態」を理論や言葉で理解してから修行に取り組んだとします。そうすると僕らはしばしば、修行に取り組んでいる「今ここ」の体験に目をつぶり、先に言葉で伝えられた「説明」と、それまでの自分の経験の中の「心が落ち着いた状態」を照合し、その感覚を脳内で再生産しようとしてしまうでしょう。”

→「ああ、英語の音読と習得もまさにこれじゃないか!」と思った。「言語を習得する」って、よく考えたら、よく分かんない脳と身体の変化ですよね。あれこれ御託を並べず、即効性を求めず、ただひたすらに音読すべし。さすれば道は開かれん!と腹に落ちました。

■学習継続にあたり、これをやったら高確率で失敗・挫折するシリーズ

①目的と目標が曖昧なままはじめて、曖昧なままにしておく。
②進捗を細かく刻まず、進捗を確認する場や頻度を決めずにスタートする。
③テレビ、雑誌、ネット広告などが謳う「○ヶ月で英語がペラペラに!」という類の誇張・ウソにだまされて、無駄に、現実の自分との乖離に落ち込む。
④理想の自分&理想のスケジュールに対する減点法で自分を責める。追い詰める。
⑤一人で取り組む。困難な目標に加え、孤独にも打ち克とうとする。

最も重要なことは、「一人でやらないこと。孤独にならないこと」だと思う。「自分で自分の僅かな進捗に気づき、自ら褒めること」も大事だが、これは「言うは易く行うは難し」の典型で、人間そんなに器用に、そして強くできてないと思います。

僕の場合は、2週間に1回、英語のモチベーションを維持・向上させるためのゼミ(LEVELEST)に参加。僕と同じように、英語および勉強時間の捻出と格闘している方々と、2週間分のレビューを発表し合い、励まし合っていました。

SNSなんかで学習進捗を投稿して、いいねやコメントを頂くことも励みになるのですが、「同じような目標・課題に対して、同じように試行錯誤し、同じように途中で嫌になり、それでもなお、一歩でも歩みを前に進めようとする仲間」の姿やコメントというのは、一層グッとくるものがあります。人間の共感力や同調性というのは、すさまじいです。

最近、年を重ねてようやく分かってきたのですが、こういった仲間や同志の存在というのは、何かを達成するための強力な手段であることに止まらず、それ自体が大いなる目的であり、豊かさだということです。30代半ばになるまで、愚かにも分かっていませんでした。学校卒業して久しいおじさん・おばさん・おじいちゃん・おばあちゃんも、みんなで勉強すると楽しく続くと思います。僕らは、social anmimalです。

■その他、やって良かったことや気づき
・朝日が射す部屋へ引っ越し。意志力とは関係なく、朝日によって目が覚める。
・狭い部屋へ引っ越した。整理整頓・掃除が楽になり、脳内にゆとりが生まれた。
・自炊をやめた。時間の大幅節約。
・洋服と靴を大量に捨てた。ジョブズ&ザッカーバーグ化。
・全自動ドラム式洗濯乾燥機の購入。全人類が買った方が良い。
・学習が途切れても、罪悪感を感じないようにする。再開した自分を褒め称える。
・学習開始&再開時は、ベビーステップ(赤ちゃんのような小さなステップ)を。学習時間=1分で良いから再開する。やる気は何かをやる前に生まれるのではなく、やった後に生まれる。実際は、学習時間=1分で終わることはない。
・周囲の反対を抑え、協力を仰ぐために、キャラ作り&ブランディング。(アルコール一杯しか飲まないキャラ、常に忙しいキャラ、新規事業で大変キャラなど)
・英語が役立ったと思える機会を自らつくること。実践の場を待たずに、つくる。
・朝ラン。日中の集中力、メンタル安定度、睡眠の質が全然ちがう。
・脳や身体が疲れを感じたら、仕事も勉強も運動もやめた方が良い。ケガする。ミスる。
・集中力を取り戻すために、1時間に1回以上動いた方が良い。(Garminでセット可能)
・新しいチャレンジは、MAX2つ。フォーカスした方が良い。
・英語上達よりも、筋トレやダイエット、仕事の方が簡単。変化が早いから。
・勉強も投資も仕事も、一定レベルから先はメンタル勝負。振り返りとアウトプットを通して、自分の感情変化やパターンに気づくことが大事。成長思考を持つ人達と互いにコーチングし合う機会を持つと良い。
・本人の興味・関心・意欲に沿って学習しないと、学習効率が著しく下がる。親や周りができるのは、機会・契機の提供だけと心得よ。サンクコストは捨てて。人生は短い。
・成功してる人達は、望ましい活動を意志力を必要としないルーチンへ落とし込んでいる。一瞬の切れ味というよりは、継続力と改善力に長けている。英語に限らず。

■今後の目標
今後は、今まで以上にレベルアップが分かりづらくなると思うので、目盛りが小さくて細かい定規=進歩確認ツールとして、TOEICに挑戦します。年内900点目標。これでビジネス英語の基礎を作る。また、「英語を勉強する」から「英語で勉強する」へ移行したいと常々思っていたので、英語の書籍や雑誌、ニュース記事などを辞書や検索なしでストレスなく読めるとされる語彙数=13,000も年内に獲得したいです。そして、英語学習で培ったセルフマネジメント・習慣化の方法を筋トレに活かして、自分史上最高の体を目指します(笑)。

以上、毎日、少しづつ、何かができるようになるのは気持ちが良いです。
いくつになっても。

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