起業後、386日目。
今日は、ビジョンと死について。
学生に対するエントリーシートの中に、「あなたの将来のビジョンを教えてください」
(1年後/3年後/5年後/10年後/30年後) という項目を入れている。
学生からの多くのエントリーシートを見ていて感じたのは、
自分の時間感覚よりも、多くの人がゆっくりしていることだ。
以下、2005年に、私が前職の会社に入社した時(25才)のビジョン
2006年:NO1営業になる
2007年:新規事業立ち上げを経験する
2008年:独立
2013年:上場
2016年:『AERA』の表紙を飾る
実現可能性はさておき、けっこう早い。
この機会に、「自分は、なんでこんなに生き急いでいるのか?」考えてみた。
原因は、自分が20才のときに、
大事な人が49才で亡くなっていることにあると思われる。
この疑似体験によって、自分も49才で死ぬものだと思っている。
残された時間をすごく意識すると共に、焦る。
具体的には、「他の人よりも、1.63倍のスピードで生きなければいけない」
という意識がどこかにある。
(算定根拠:日本人男性の平均寿命(80才)÷自分の寿命(49才)
若くして近しい人を失うことは、悲しいことではあるが、
2つほどメリットがあるので、そういう体験のない方の為に、こそっとお伝えする。
1:ゴール(死)から逆算して、ビジョンを確立することが容易になる。
2:意思決定に際して、どうでも良い枝葉を切り捨てて、本質を捉えた選択ができる。
1:ゴール(死)から逆算して、ビジョンを確立することが容易になる。
自分のビジョンが達成できるかどうかは、自分のスペック・努力・外部環境などによって、大きく左右される。なので、不確実極まりない。
しかし、一つだけ確実なことがあって、それは、誰もがいつか死ぬということだ。「では、いつ死ぬのか?」ということが問題になるが、仮でも良いから、「えいや!」で設定しておいた方が良い。ココが決まらないと、逆算できないから。
何かの目標を達成したり、スピーディーに問題解決したりする際に、仮説思考が有効だと言われているが、ビジョンの確立はその代表だと思う。早めにビジョンを掲げることができれば、その進捗を確認し、軌道修正することも容易になり、実現可能性が高まる。
ポイントは、この「えいや!」で決める死のタイミングをどれくらいリアルに想像できるかにある。
その際、近しい人の死が参考になる。
コレが、ビジョンに時間軸を与える。
2:意思決定に際して、どうでも良い枝葉を切り捨てることができる。
「いずれは死ぬ」ということを前提にした場合、目の前にあるものや選択しようと思っていることに対して、より本質的な意思決定基準を持つことになる。
例えば、多くの人は、外部からの期待やプライド、恥や失敗を恐れて、
本当に価値のあることを見失うが、
死んだらこういうモノは、どっかに消えてなくなる。
残るのは、生きていた頃に付き合った人との心の絆と
後世の人に役立つと判断されたモノ(志・芸術・真理・法則・商品・技術・サービス・人など)だけだ。
つまり、「どうでも良いこと」と「とても大事なこと」の分別がつくようになる。
分別をつける際、参考になるのが近しい人の死だ。
コレが、ビジョンに方向性を与える。
以上、ビジョンの決め方にも色々あると思うが、
僕の場合は、死を軸に考えている。
きっかけをくれた母親には、とても感謝している。