起業後、326日目。
今日は、企業カルチャーの3回目。
結論から言うと、まだ決まってない。
僕の中では、一旦決まったのだが、Haloのみんなに相談し、話し合いの中で
コンセンサスをとる過程で、非常に時間がかかっている。
HALOでは、役員のみならず、社員全員でカルチャーを
決めるプロセスを共有している。
「実現可能性が低そう」「ワクワクしない」「カッコ悪い」
「普通すぎる」「コレも加えたい」「文章として美しくない」など、
みんな好き放題言うので、なかなか決まらない。
思えば、企業理念を決める際も、役員全員の合意を取り付けるまでに、半年ほどかかった。
伊勢くんは、なんでもかんでも広げたがるし、
中林さんは、冷静に現実を見つめ、ダメ出しする。
正直、最初の頃はかなりイライラした。
確かに、コレらは、価値観や哲学やセンスにも関わる分野なので、
時間がかかるのは、当たり前だ。最悪、まとまらない、なんてこともあるだろう。
そもそも、こんな上位概念について、みんなで一緒に考えて、
コンセンサスまでとろうとすること自体、「無謀 又は 宜しくない」という経営者も多々いらっしゃると思う。
企業理念やカルチャーは、社長が「えいや」で決めて、トップダウンで卸すべきだと。
(色々調べたところ、こういう決め方・卸し方の方が圧倒的に多いようだ)
そういうやり方を選択するメリットも気持ちもよく分かる。ときに、誘惑にかられたこともあった。
しかし、
「理念や企業カルチャーが、形骸化している会社がほとんど」
「似たりよったりの理念や企業カルチャーがとても多い」
という問題を認識していたので、決定の仕方自体に工夫をしないといけないと思った。
「こういうモノの決め方は、こうと相場は決まってる」に身を任すには、
あまりにも失敗事例が多すぎる。
その解が、
「意思決定プロセスにみんなを参加させる」だった。
理由1:自分が社長じゃなかったら、上からドンで価値観を落とされるのは嫌
⇒みんなで決めないと、実行されない。
理由2:社長自身が理念やそのカルチャーに従うのは、
確定するまでのプロセス(調査&回想&熟考)を体験しているから。
⇒みんなで決めないと、実行されない。
理由3:相対する価値・命題が、お互いに否定しあう過程を経て、
両社を生かした形で統合すると、より高次元の総合価値・命題が生まれることがある。
理由3は分かりにくいので、以下、例。(「ヘーゲル弁証法」とか言った気がする)
「僕は【焼きそば】が食べたい」(テーゼ)
「私は【パン】が食べたい」(アンチテーゼ)
「それなら【焼きそばパン】を食べようよ」(ジンテーゼ)
みんなで話し合って決めると、
より高次元、且つ、オリジナルのアウトプットが出る可能性がある。
というわけで、
時間がかかっても、イライラしても、気まずい雰囲気が流れても、
企業カルチャーもみんなで決めることにした。
だが、実際にやってみると、めちゃくちゃ難しいことが分かった。
こういう類のファシリテーターが、一番難しいんじゃないだろうか。
単なる多数決ではいけないし、足して2で割ったような答えでもいけない。
論理的に説得できない箇所も多々ある。
経験が共有されてなければ、相手の意図すら分からないこともある。
議論が白熱してくると、どんどんイシューから外れてくる。
だから、
たくさん本を読んだ。
他の経営者や社員、大学生にもなるべくたくさん会いに行き、話を聞いた。
そして、何回もつくっては、壊した。
多くの目的意識、時間、忍耐、情報、そしてスキルを必要とした。
その甲斐あって、「良いカルチャーだよね」
という空気が社内に生まれつつある。
「このカルチャーを元に、様々な意思決定を続けたら、
どんな未来が待っているのか、非常にワクワクする」と思えるとこまで来た。
今まで見たことのない景色を見てみたい。