起業後、3011日目。
今日は、2016年の振り返りについて。
昨年の年始から、株式投資と世界経済の勉強をはじめました。
■なぜ、はじめたか
ハロの資金調達は、 融資(借金)オンリーでやってきました。理由は、「出資を受けると、色んな人がやんや言ってきて、不自由&ストレスにまみれる」負のイメージしかなかったからです。
また、「自分自身が、出資を受けたり、出資をした経験がないので、それが理屈では分かっても体では分からない。にも関わらず、出資を受ける=後戻りできない意志決定であること」に対する恐怖がありました。
「やっぱナシナシ!ごめんなさい!間違えました。出資はなかったことにしてください」と容易に覆せないって、恐ろしくないですか?
そして、「どれぐらい、出資者の期待に応えれば良いのか?」程度が 分からなかったのが、何より怖かったです。なぜなら、自分はもちろん、身近にも経験者が少ないから。
多くの人は、学生&会社員時代に借金の経験はある(クレジットカードも借金です)と思いますが、出資って経験ないですよね?
過去、ベンチャー投資に閑古鳥が鳴いている時代もあれば、「これバブルじゃない?」と思うほど活況だった時代もありました。「◯社が◯億円、出資を受けて調達した!」と聞いて、その会社じゃない外野の人達も盛り上がっていましたが、不思議に思ってました。デメリットやリスクもきっとあるのに、と。
一方で、「1億円借金しました!」と言うと、「おめでとう!」より「大丈夫?」と心配されることが多かったです。これは、出資と融資について知っている情報や経験が、融資(借金)の方に極端に偏ってるからだと思います。
以上、出資受ける=「よく分かんないけど怖い」というのが長らく、僕の認識でした。しかし、気になる資金調達方法ではあり続けました。そもそも、ハロは「株式」会社ですし、資本主義経済の中で経営してるので、不勉強なことには自覚がありました。
そしてついに今年、「まずは自分が他社に出資してみよう。そしたら、出資受けた場合の疑似体験ができるかもしれない」と思って、株式投資をはじめました。
■結果、学んだこと
まずは上場株式投資から。よく分からないので、「今年の株式市場はこうなりますよ。特に有望なのは、この企業&銘柄です!」みたいな予測本&雑誌みたいなものをたくさん買って、読み込みました。年始は特に、たくさん特集が組まれます。かれこれ、10冊くらい読みました。
結果、年始から上がると予測されていた企業の株が、下がる下がる。どこまでも(笑)。どの業界・会社が、というより、日本の主要な企業の株価が全体的にガンガン下がりました。予測本&雑誌に登場してたアナリストの中で「予測が当たった人、一人もいなくない?」というありさまでした。
そして、下がった後に色んな人がもっともらしく、自分は知ってた体で、下がった理由や背景を説明するのです。ちょっとあなた達!それ後付けでしょう(笑)「これは誰も信用できないな。特に、証券会社と出版社、場合によっては日本政府も全員営業マンだ」と思いました。(厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用するGPIFは、全体ポートフォリオにおける国内株式の比率を12%から25%へ引き上げました)
これはすごく良い経験でした。第一に、株式投資においては、なるべく一次情報に当たるべきだと早めに学べたからです。結果、世界経済に関するニュースや記事を幅広くチェックする習慣がつきました。
例えば、米国の株式市場と日本の株式市場はある程度、比例関係にあるので、アメリカの株式市場は注視する必要があります。他、中国株式市場と原油価格は、日本株に影響を与えやすい、など。あまり多くを語ると、僕も証券アナリストのようにウソつきになるのでこの辺で(笑)。
株をやっていなければ、原油価格に影響を与えるOPECの合意内容とか、気にならなかったと思います。僕がガソリンスタンドを経営してたり、石油ショックみたいな日常に目に見えて影響がある社会現象でも起きない限りは。
そして何より、「ああ、ほとんどの投資って外れるんだな〜」っていう、良い感じの脱力観も獲得できました。これでようやくなんとなく、出資をする側の気持ちも分かった気がしたので、知り合いの未上場のベンチャー企業に2社、少額出資させて頂きました。
過度な期待はありません。
社長本人または会社の理念に共感して、応援しています。
だって、どのアナリストも上場企業の株価を当てることができないんですよ。日本政府が泣いて叫んでも、株価は下がる時は下がるし、円高(円安)になってほしくなくても円高(円安)になるし、実に予測不可能&アンコントローラブルです。
まして、彼らは未上場で、新規性の高い事業を立ち上げてる訳ですから、あまり無茶を言ってはいけません。もしも、アンコントローラブルなことを強引にコントロールしようとすれば、必ず歪みが生じます。その歪みの代償は、だれかが必ず払うことになります。
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神よ
変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
ーアメリカの神学者、ニーバーの祈り
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どうやら必要以上に、僕は責任感を感じすぎていたように思います。
僕もそうですが、出資を受けて苦しんでいる友人たちも。