HALOのインターンシップ2010(内定編)

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起業後、924日目。今日は、ジョンソプくんの内定について。

HALOは、教育を通して「自分の可能性を信じる人を増やす」ことに取り組んでいる。
この活動は、希望が生まれるシカケの1つ。

ジョンソプくんは、去年の夏に、HALOのインターンで働いてもらった韓国人の学生だ。ジョンソプに関する過去のエントリーは、コチラ↓

HALOのインターンシップ2010(出会い編)
HALOのインターンシップ2010(共同生活編)

結論から言うと、彼はSamsung Electronicsから内定をもらい、まもなく働きはじめることになった。

Samsung Electronics(サムスン電子)は、今をときめく世界TOPレベルの家電メーカーだ。

どれくらいイケイケかと言うと、日本の家電メーカー(SONY、TOSHIBA、HITACHI、SHARPなど)の営業利益を合算しても、サムスン電子のそれに及ばなくなっている。

僕はよく知らないが、サムスン電子は、韓国国内では「就職したい企業」圧倒的NO1らしい。だから、内定をもらうことはとても難しいとのこと。なんでも、難易度は司法試験に匹敵すると言われてるらしい。 だからジョンソプは、すごいことをしたみたいだ。

ジョンソプ本人に「なんで内定をもらえたと思うか?」聞いてみた。そしたら、「コンピューターの処理に誤りがあったんじゃないでしょうか?」との回答。冗談を言うあたり、やっぱり大した男だ。

彼との共同生活と彼のブログを元に、僕なりに考察してみた。
今流行のタイトルで言うと、

「世界TOPレベルの電機メーカーから内定をもらう たった3つの理由」


理由1:素直
理由2:コミュニケーション能力が高い
理由3:行動力がある

理由1:素直

他人に対しても、自分に対しても、素直だ。他人に対しては、広く人の教えを受けることができる。また、初対面でも自分を飾ることがない。自分に対しては、自分の夢や欲望に対して素直だ。

「素直な心は大事ですね」と松下幸之助先生も仰っているが、実践するのは難しい。例えば、変なプライドがあると、広く人に教えを請うことはできない。また、自分に自信がなければ、自分を飾ってしまう。そして、世間体を気にしたり、埋没費用に溺れたりすると、自分の夢や欲望に対して素直にはなれない。

理由2:コミュニケーション能力が高い

彼は英語と韓国語と日本語の3言語が話せるが、僕が言いたいコミュニケーション能力は、そういう類のものではない。相手の気持ちや状況を推し量る勘が鋭いのだ。僕が彼にはじめて出会った当時は、ほとんど日本語を喋れなかったが、「意気投合」したような錯覚を覚えた。(後になって、お互いが言ってることの9割が理解されてなかったこを知る)

コミュニケーション能力は、後天的に獲得されるものだ。就活中の大学生で「コミュニケーション能力に自信がない」と相談にくる学生は、そもそも相手の懐に飛び込むチャレンジをほとんどしてないパターンが多い。もっと言うと、自尊心が傷つくリスクを冒してないのだ。コミュニケーション能力は、突然振ってくる天性のものではなくて、膨大な失敗体験と一握りの成功体験から生まれる。にも関わらず、そもそもの経験が不足していることが多い。

その点、彼は渋谷のクラブでがんがんナンパして、ときに、豪快に無視されていたところなどを見ると、膨大な挑戦と経験からコミュニケーション能力を獲得したと思われる。

理由3:行動力がある

そもそも、韓国からハロにインターンにきたことに行動力があるのだが、インターンを終えた後の行動力もスゴイ。以下、彼のブログからfactだけを列挙する。

・2010年9月、ハロでのインターンシップを終える。「自分がしたくて我慢できない仕事をちゃんと探した方が良い」という僕からのアドバイスを受け、「考えるだけでは分からないので、色々経験してみよう」と決心する。

・2010年9月、自分で商売をはじめる。あちこちの大学、地域の祭りをまたに掛けて、パイナップルやわたあめや爆竹などを売る。友達と三週間で約30万円を稼ぎ、最初は面白かったものの、途中から興味をなくす。結局、こんなことより、勉強した方が良いと思う。

・2010年10月、「一所懸命、勉強しよう!」と誓いを立てるも、三日坊主で終わる。「勉強って、あんまり好きじゃない」との結論に至り、いつしか図書館からゲーセンへ。

・2010年10月、偶然ネットでF1 World Grand Prix Staffの募集公告を発見し、面白そうだと思って志願する。面接に合格して、Media Centerで働くことになる。一週間、F1 Circuitの周りにあるHyundaiの高級ホテルで、外国人ジャーナリストの受付と登録を手伝う。Michael SchumacherやSebastian VettelからAutographをもらう。

・2010年11月、大学の代表として、大阪大学でSymposiumに参加する。日本の学生と話しながら、将来の悩みは韓国とあんまり違わないことを気付く。「大変ですね、私たち。頑張ろうよ!!」と励ます。大阪大学の女子学生たちはジョンソプ達が韓国に帰る日、泣く。

・2010年12月、韓国に帰って、HALOから学んだKnowhowを元にSNS事業をはじめようと決心する。事業登録の際、事業を起こす動機・理由が不十分なことに思い至る。

・2010年12月、「人生の目標」を立てる。結果、今すぐ事業を始めることは無理だと判断する。

・2010年12月、以下3つの公募に参加する。

1.BOHAEという酒類会社の企業のブランドバリューを上げるる戦略企画コンテスト、
2.化粧品会社のSNSを活用するMarketing competition、
3.全南大学校の広報UCC Contest

・2010年12月、UNICEFとWDRO(World Disaster Relief Organization)の後援を開始する。

・2011月1月、KT&Gという韓国のタバコ会社でインターンを開始。新規事業計画案、担当部署の年予算の活用案, 新製品のプロモーション戦略案などを作成してプレゼンする。(何の成果も上げてない、とジョンソプは思ったが)会社から15日間のイタリア旅行の全費用をもらう。

・2011年3月、SAMSUNGの採用公告を確認する。無理だろうと思ったが、一度挑戦したいと思い、応募する。結果、内定をもらう。

以上、この圧倒的な行動力と膨大なトライ&エラーの数は、すごい。

なお面接対策は、よく分からなかったので、新聞を読むこと以外は何もやってないらしい。「乏しい経験をうまくアピールすること」には限界がある。「豊富な経験を自然体で語る」ところに魅力が宿る。量が質に転換するのだ。

頭と口ばかりで、行動量が足りない学生と社会人は、猛省したい。僕も反省した。
やる前につべこべ言っても、誰も説得されない。四の五の言わずに、行動だ。

最後に、2010年12月に彼が立てた「人生の目標」を紹介したい。

1.正しく, 正直に, そしてまじめに生きて行く。
2.社会的に力量ある人間に成長して, 楽しくて価値のある事をしながら生きて行く。
3.男子という漢字の意味は'田'を耕せる'力'を持つ人ではなく、 '十'人の'口'を食わせる力を持つ人だ。 家族以外に、難しい環境の中で生きて行く国内外の隣人達に真の奉仕を実践しながら生きて行く。

ジョンソプは、僕がはじめて出会った頃よりも、カッコ良くなった。僕はこういう人の成長を見るのが、何より好きだ。

彼には、人を集める才もあるから、SAMSUNGで経験を積んだ暁には、是非、自分の会社を起こしてもらいたい。そして、シンガポールあたりのキレイなバーで、2人で飲みたい。「あそこのインド人の女子はカワイイな!」とか言いながら。

こういう若者が世界中に散らばれば、希望も生まれるだろう。
そういうことが、僕はやりたい。

2011年も、HALOはインターンシップを募集する。詳細は追って。

※ジョンソプくんのブログはコチラ

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